nozayasu

仕事全般/マネージメントで考えたこと

CROSS2016にいって、組織について一日考えてきた話

CROSS2016とは

2016.cross-party.com

Webエンジニアとその付近の人1,000人集合! 国内最大級のWeb系勉強会 通算5回目となる「エンジニアサポートCROSS 2016」は、 Webテクノロジーに関わる人たちが「Webの未来」を語る勉強会です

なんで参加したの?

同僚に紹介してもらったのがきっかけで、今回初めて参加してきました。僕自身はWebテクノロジーより、チームや組織作り方が興味があって、 あまりテクノロジーを聞きにいった感じではなかったです。

率直に言って、とても満足しました。
著名な方々の話だからという理由ではなく、内容が有意義だと感じれたことに満足感を得たのだと思います。

参加したセッション毎の内容と雑感

エンジニアとしてどう働きたいか?経営者としてどう働いてもらいたいか?労使の本音バトル!

概要

経営者も労働者も根本では同じ目的・目標をもっていて、それを達成するために会社という組織を作っているけれどお互いの考えが折り合わず、対立する構造になりがちだけどそれってなんでなの?という内容でした。

仕事に対する両者の思想

労働者側(エンジニア)

基本的には楽しく働きたい
エンジニアからみた楽しくって何?

エンジニアリングを突き詰めたい
モダンなシステム検討を継続的にする
理想論的なシステム作りに挑戦する

経営者側

基本的には楽しく働きたい、働いてほしい
経営者側からみた楽しくって何?

ステークホルダー、経営者、社員、顧客全ての関係者が満たされる状態
お金や、仕事、発言に対して責任をもつ
全体最適に気を配る
価値があることを実行していく

なにが対立してるの?

責任に対する意識の違いとそこからくる相手に見える不満

:製品に責任を持ちたいから時間をかけてでも良いもの提供したいのに、期日達成に対する要求が強すぎるように見える。

:仕事を完了することへの責任を常に持っているので、理想論を追い求めすぎることは自分本位な働きかたをしているように見える。

一歩引いて考えてみると?

:個々人のタスクが全体としてどういう位置づけで、目的と納得感を保てる形で落とし込んでもらうと理解が進む。

:サービスは実際作ってみてわかることも多いから、ある程度納期や品質という責任について妥協できるポイントもある。

歩みよるにはどうしていくのがいい?

お互いを知る為の時間が足りてない、対話の時間を増やすことが必要。

雑感

全体としてはよくある話だなと感じました。経営層だからとかはあんまり関係なくて、他者を知るために対話の時間は必要だよね?という落としどころだったかなと解釈しました。
もう少し時間があったら、その先のどう対話の時間を確保するか?単純に確保したら解決できそうなのか?みたいなところも聞きたかった。

次に個人的に腑に落ちない点を少々

製品が売れるかどうかは正直興味があまりないとおっしゃってた方がいたけれど、僕個人としては理解できない。もし売れないってことになったとしたら、自分が作ったものに価値がないと言うことになると思っています。

端的な話にしてしまうと製品に価値がないかもしれないけど、エンジアリングを突き詰められたら楽しいよと言うことに捉えられる意見だった。

それって本当にエンジアリングを考えているだろうか?挑戦してるということの有能感があるだけじゃないだろうか?

モダンなシステムを取り入れたいのはなぜか、エンジニアリングを突き詰めたいのはなぜか。それをすることで提供できる価値の幅が広がるとイメージできるからであってほしい。なぜ、エンジニアリングを突き詰める必要性があるのか、その意義を考えていけるようにしたいと改めて思った。

最近一般化してきたCIが必要な理由とか、色々な作業の自動化を促進することの本質はシステム化できるところを徹底して、その分空いた時間をもっと価値を提供するための作業にあてようってことだと思っています。

ビジネスを考えた結果、モダンなシステムにしていく必要があると提案できるようにありたい。

CTOが現場に言えない本音

概要

評価・採用・育成といったCTOが、日々業務範囲にしていることの裏側ではこんなことを思っているよという内容でした。

評価について

軸は大きく二つあって、成果と成長。
成果と成長で分けて良し悪しを伝えるようにしている。
成果だけだと点でしかない。成長は積み重ねとしてキャリアをどう伸ばせたかをみる。

成果

目標に対する達成度、事前期待値に対する達成度を個人ごとに絶対評価としてみる。

成長

新しい技術という観点では、取り組んでいるかではなく使いこなしているか。理解度はどれくらいに変わったか、業務に使えるイメージができるのか。
個人の成長が会社の成長とも方向が合っているか、会社として評価できない成長もある。
個人だけで完結してどう頑張ったかよりも、外に向けてどれだけ影響を与えたかの方が評価として判断しやすい。

採用について

技術云々はもちろんあるが、一番重要なのは勉強する意欲がある人かどうか。
採用は素質、評価は成果でみることが多い。
自分が働きたいと思える人かどうか。
働きたい人とは自分よりなにかすごいと思う部分がある人。人間として興味がわく人。
地頭の良し悪しは、何かの説明してもらって説得することをができるかを見ていたりする。

CTOってなに?

単なる役割でしかないと思っている。

どんなことを意識しているのか?

エンジニアのブランディング

露出をいかにつくり、外への影響を与える機会を増やし、組織としてそれをどう支えられるかを考えて、実行すること求められてると感じる。

ビジネス面も考えるからこそ、価値提供のスピードをあげるためにエンジニアリングはなにができるのか?組織のパフォーマンスをどうやって維持できるのか?ということを意識している。

雑感

中身の濃い刺激を受けるセッションでした。書きたいこといっぱいあるけど、オフレコにしてくれってとこも多かったのでつらいw

評価とか採用はそんな風に考えてるのかーってくらいで、CTO像の部分が面白いと感じました。

最近GMOペパボCTOのあんちぽちゃんさんの話でも似たようなこと思いを持った。世のCTOは技術からみた経営戦略の策定・実行だけじゃなくて、組織として個々人が成長を感じれるには何ができるのか?その環境を用意するためにどう実行していくかを考えてるんだなと。

個人的にどうやって変化に強い組織を作っていくかにすごく興味を持っているけど、どうやって成長を感じれるようにしていくか?の視点からの話はやっぱり勉強になりました。
自分の成長を考える時も、組織での成長視点をいれて考えるのも良いなと思いました。

先達に聞くこれからのエンジニア像 2016

概要

いかにして人を巻き込み、組織を作りあげるのかという内容でした。

リーダー像とは?

人員・資金・権限といった多様な制限がある環境で、想像力で解を求める人。
普通に考えると解決する見込みがないなかで、それでもどう解決するかを考える人。
大きな旗を降りかざして、人を巻き込んで実現する人。

10倍の成果を得るためには?

そもそも一人の時にあげていた成果を10倍にするためには、人を巻き込まないと達成できない。
人を継続的に巻き込んでいく方法を考える。
いかに動機付けできるかが大事で、他者がこれをやりたいと言わせるように個々人の状況を作ってあげる。
自分の口で言うことは、モチベーションを持って取り組むことに繋がる。
メンバーを巻き込んで、考える頭を増やしていくことで成果に繋げる。

巻き込むために何をしていくのか?

思想を伝えきるために、発言力と影響力を高めるために、信頼を勝ち得るための努力をする。 組織として世界観をプロダクトに持てるよう思想を共有する。
ゴールを意識し続けるために、細かいコミュニケーションを継続的にやる。

組織を継続していく上での気をつけることは?

プロダクトから何を削っていいか?何を足していいか?を判断するため、皆を同じ意識を保てるようにする。
失敗を叱る組織は、失敗しないように動く組織になっていくので、叱るのではなくどう改善するかを常に考えていく。
自由度を優先してリスクが伴うような場合には、その分綿密にリカバリー方法を考える。
メンバーに苦手意識がある場合は、正直に苦手なことを伝えて仕事上だけでも上手くやれる方法がないかを話し合うようにする。
役職や職種を越えて全てが一つのチームとして考えて、俯瞰した見方に近づける。
モチベーションが高い人を増やす努力と同じくらい、モチベーションが低い人が他者に悪影響とならないように配慮する。

その他参考になった話し

勉強会やカンファレンスでは質問をしようと思って聞くと理解度が増す。
ロールモデルを持つことは、自分がどのようなキャリアパスを進みたいかを考える助けとなる。

雑感

特に感じたことが二つあって、一つは信頼を勝ち取るために努力をすること。
丁寧に仕事をすること、丁寧に人と接していくことを改めて意識しようと考える良いきっかけとなりました。

もう一つは最近仕事における動機付けを自分でも考察したこともあって、やりたいと言わせるように状況を作ってあげるって言葉がとても考えさせられました。

組織として同じ想いをどうやって共有し続けていくか、そのために僕は末端タスクこそ丁寧に情報を詰め込むべきと考えています。会社として、事業として、チームとして、色んな粒度があるけれど、個人として組織や事業と接点となるのは日々のタスクだから。接点となる部分こそ手を抜かないで、上流からの想いをイメージできるだけの情報を落とし込みたい。イメージできることが個人レベルの動機付けに良い影響を与えるのでは?と考えているからです。

考えさせられることが多く、一番心に響いたセッションでした。

終わりに

組織作りのセッションがこんなにも多くあることは少し驚きでした。
良いプロダクトを作っていくための組織作り、興味はこれからも続きそうです。
社内外問わず、考えたり想いをぶつける機会を増やしていけたらいいな。

おわり。