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仕事全般/マネージメントで考えたこと

仕事の納得感とは?

仕事の納得感はどんな時に得られるでしょうか?

行動の選択権があり、意志が尊重され、行動を決断できるだけの情報を引き出せる時に、納得感というものが得られるのではないかと考えています。

自分の例をあげながら、なぜそう考えたのかを整理していきます。

現在、10名規模の会社で仕事をしています。
この内容はマネージメントする立場からではなく、マネージメントされる立場から考えたものです。

この作業は誰かに価値を与えるのだろうか?
この作業は今やる必要があるのだろうか?

僕は作業の価値や必要性を想像できない場合に、不安を感じることが多いです。

他者からの指示や依頼に対して、常に共感して不安を抱かない。これは理想ではありますが、おそらく実現させることは難しいのでしょう。

であれば不安はある程度存在することを受け入れ、それをいかに取り除くか?という方向で、自分を保ちたいと考えるようになりました。 作業の価値や必要性を想像できないという不安を和らげるためには、「なぜやるのか?をもっと理解したいです。教えてもらえないでしょうか?」と意志を表明します。

ここで大事だと思っていることは、なぜの部分を深く理解できることだけではありません。

  • 意志表明が行動の選択肢として認められている
  • 個人が尊重されて健全なフィードバックが返ってくる
  • 決断に至るまでの適切な情報が開示される

この3つが満たされることで、自分の意志で行動を決定した感覚に繋がることが大事だと考えています。

実際には、依頼者が受託者の行動を決定していることには変わりない。ではなぜ自己決定感が高まると納得感に寄与するのか?という点を探っていきましょう。

納得感の定義づけ

納得感と言って話を進めた時に、人によって受け取り方が違うと思います。
そこで、まず自分のなかにおける納得感の定義を行います。

納得感がある状態というのは、自分の動機づけの1要素と捉えています。 今回は納得感を、動機づけの観点からみていきます。

動機づけとはなにか?

まずはそもそも動機づけとはなにか?という概念の部分をざっくりと把握してみたいと思います。

動機づけ(どうきづけ、motivation、モチベーション)とは、行動を始発させ、目標に向かって維持・調整する過程・機能である。

wikipedia より引用

動機付けを大きく分けると「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」という2つのタイプに分類されています。

内発的動機づけとは好奇心や関心によってもたらされる動機づけであり、賞罰に依存しない行動である。
 
外発的動機づけとは義務、賞罰、強制などによってもたらされる動機づけである。

wikipedia より引用

内発的動機づけと外発的動機づけの主な違いは、活動の質や継続性への影響度合いと言われています。

内発的動機づけによる活動は、外発的動機づけによる活動よりも、楽しく、質が高く、持続すると言われています。 たとえば、試験のために(外発的に動機づけられて)勉強しているときには、試験が終われば、勉強しなくなるでしょう。試験のためだけに勉強したことは、試験が終われば、忘れてしまいます。

内発的動機づけとは(こころの散歩道) より引用

内発的動機づけに寄与する要素はなにか?

 まず、内発的な動機づけを支えているものがある。それは、「自己決定感」「有能感」「他者受容感」という3つの要素だ。自己決定感とは「自分のことは自分で決めている」という気持ちであり、有能感とは「自分なら頑張ればできる」という本人の気持ちである。他者受容感とは「自分は周りの大切な人から受容されている」という気持ちである。この3つの要素が自ら学ぶ意欲をもたらし、楽しさや満足感が生まれる

本当の「やる気」はどこから生まれるのか?(Part.2) | コラム-TMW CONSULTANT EYE | トッパンマインドウェルネス より引用

これらの動機づけの概念を踏まえ、自分の仕事に納得感のある状態とはなにか?を考えてみます。

自分の仕事に納得感のある状態

内発的動機によって仕事をしている状態であると考えています。

さらに掘り下げて、仕事における内発的動機の元になるものはなにか?

自分で意思決定して行動(作業)していることであると捉えています。

これを満たしていることが、納得感に寄与するのだと解釈しました。

しかし仕事や組織において、皆が自由に作業を決定できるとは限りません。それぞれが自由に決定することができない時点で、全員の100%を満たすことは無理なのでしょう。

では、100%に近づけるためにはなにができるでしょうか?

自己決定感をどう満たすのか?

自分の仮説を話していきます。

人の行動には目的が存在します、それが前述した行動の動機付けになるからです。

自分自身で行動を決定する際には、目的である「なぜやる必要があるか?」「やることにどんな価値があるか?」を無意識に考えているのではないかと僕は考えています。

これを自己決定のプロセスだと仮定すると、他者が自分の行動を決定する際にも、自己決定と同等なプロセスを持たせられれば、自己決定感を高められるのではないか?という仮説を持つことができます。

仮定とそこからくる仮説を元にすると、他者に行動を指示・依頼した際に、対象となる実行者の納得感を保つためには、目的である「なぜやろうと思ったのか?」「どんな価値があると思ったのか?」指示者目線の決断に至った経緯の情報を伝えることが、重要な要素であると考えられます。

とはいえ常に頭のなかを見せれるわけではないので、完璧に決断に至った経緯の情報を伝えることは難しいです。

伝え切りたいけど伝えきれないものでもあると受け止め、他者が違和感を覚えて言葉にしたという行動を尊重する。

違和感をなくすためならば、何度でも伝えるよという姿勢を合わせもつことが、実際に運用するためには必要なのだろうと考えます。

まとめ

仕事の納得感を保つためには

  • 自分が行動(作業や方針等)を決定するに至った情報を、他者が同程度に得られるようにする
  • 自己決定ブロセスの過程を妨げないように、行動の選択肢の提供や他者の意志を尊重する

それがあることで、受け取った側は決定者と同じ価値を想像しやすくなる。

もう少し言い換えると、他者の考えた価値を自分が考えたものと擬似的に捉えて行動をとれる。

自分のものとして考えて行動できるのであれば、内発的動機に近い行動となっていくのではないでしょうか。

おしまい。